運慶と快慶
ボヤーっとNHKを見ていたらとても興味のある番組に出逢いました。運慶が工房のオーナーの息子で快慶がそこで勤めている仏師という縮図ですね。 これは二人の共同作品なのですがいずれ袂を別つ日が来るという事ですね。 その頃源頼朝と平清盛の戦乱の中奈良に火が放たれ大事なお寺や仏像が燃えてしまい とても絶望した中、運慶は平安な世の中になるためには政権が安定することと 考え、その戦の勝利者の頼朝に謁見したとの事でした。 鎌倉時代の始まりですね。武士がメインの時代です。 頼朝の命で国家プロジェクトの仏像を彫り始めたとの事ですが 運慶の作品にはとても高価な顔料で彩色してあってそれで仏様の威厳や神秘性を 表現したとの事でした。 それに相反するように快慶は庶民に寄り添うような形で 仏像を作っています。阿弥陀如来像がメインですが三寸丈と呼ばれるような小さいもので その当時飢饉で4万人もの死者が出たという事ですが そんな庶民にも極楽浄土に誘う光になるようにとの願いを込めたとの事でした。 快慶の仏像をX線写真で分析してみると 巻紙のようなものが中に仕込まれていてそこには 犬と呼ばれ差別を受けていた方とか 遊女に至るまで平等に名前が書き込まれていたようです。 d 運慶は国家や貴族のためのもので四天王さんを作っています(左側)守神ですもんね。 もちろんそればかりではないのですがなので作品が多く残っているのは関東だとの事です。 快慶は庶民に寄り添う形での阿弥陀如来さんですね。(右側) 何かあればすぐにでも駆けつけてくれる仏様ですがもちろんそれだけではありません。 形は違いますが世の中を良くしようとする志は同じだったという事です。 その後運慶は快慶と再会し、ご自分の息子さん湛慶を彼に託したとの事です。 湛慶は快慶の技を吸収し、今京都で観れる二十三間堂の中の仏像を作りました。 そこには阿弥陀如来さんのようなすぐに救いに来てくれるような仏さまと四天王さんのような 敵を蹴散らしてくれる頼りになる守護神の運慶と快慶の技を集約したようなものが 置かれているようです。以前そこに行きましたがとても迫力がありました。 数多くの仏像に圧倒されました。
ちなみに海外のオークションで13億で落札された仏像です。製作者はどちらだったか忘れました。
同じNHKで放送されたプロジェクトXを思いだしました。金剛力士像の修復の話です。 このブログにも書きましたがその工房の次期リーダーと見込んでいた方が このお仕事を最後にやめてもっと民衆のために作られたお地蔵様とかとの土地に根ざした 小さな仏様を修復して生きていく道を選ばれた事。 5年後にガンでこの世を去られた事。 大泣きで見たことを思い出しました。どこか快慶と似ている気がしますね。
これはテレビを必死に見ていたので写真もイケていません。 自分のための記憶をとどめたい記録ののつもりで書いたので稚拙で大まかです。 聞き違いもあるかもです。 詳しいことをお知りになりたい方は えらーいセンセイの書著やセミナーとかで聞いていただけたらと思います。
あの東大寺の入り口にある金剛力士を作った運慶と快慶の物語でした。
by rurishop
| 2019-05-26 23:32
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